センター試験の思い出

センター試験(今でいう共通テスト)は2日間に分けて行われる。

1日目が文系科目で、2日目が理系科目。

その人生をかけた2日間において、やってはいけないことは多々ある。

1日目に自己採点してはいけないということは特に重要である。

自己採点結果が良かったにせよ悪かったにせよ。

2日目に良い影響を与えることはない。

学校の先生にも必ず注意される内容だ。

この話はその『禁忌』を
破ってしまった男の物語である。

センター試験1日目が終わる。

最後は英語のリスニング。疲労がピーク過ぎて途中の記憶がない。なんで最後がリスニングなのか。

1日目の帰宅後すぐに、センター試験解答速報がネット上にアップロードされる。

普通の受験生はそれを見てはいけない。

私はふとした瞬間に『公民』の自己採点を始めてしまった。

公民とは社会の2科目目で、理系の生徒は普通は使わない。保険として、学校の指示で一応受験しただけだ。

「特に対策もしてないし、結果が悪くてもダメージ無いしやってみるか」と。

結果としては悪かった。受験で使えるレベルではない。ここまでは大丈夫だった。まだ引き返せた。

私はなんとなく『地理』の自己採点を始めてしまった。

「地理もそんなに勉強してなかったし、ついでに採点するか」と。結果としては、普通。良くはないのだが、こんなものだろう。

ここまで来てしまうと、もう止まらない。

英語、国語と自己採点を始めてしまった。

英語の結果はまずまず。

問題形式が例年と変わっていたが、特に問題なく対応できた。

問題は国語。

想定のマイナス40点。

特に得意としていた小説での失点がひどい。

私は未だに『絹代』と『シル、ク、ロード』を恨んでいる。

ちなみに、この国語の大爆死は、後の国公立大学前期試験の不合格の大きな要因となる。

2日目を迎える。

意図をせず背水の陣で臨む形となった。

もし「自分は背水の陣に強い」という自負があるのなら1日目に自己採点をするのはいいのかもしれない。

いや、やはりそんなことはない。

もうミスが許されない状況の中、1発目の数学①。

手ごたえなし。

正直、2日目の科目の中で一番苦手だった。

「もう終わりか」

そう思われた。

しかし、なんとか息を吹き返す。

その後、数学②、物理、化学では満点には届かずともそれに近い点数を叩き出す。

何とかセンター試験に一矢報いることができた。

まぁ、ただ単に得意科目だっただけだ。

皆さんに一つ言っておくことがある。

1日目に自己採点してはいけない

本当にいいことない。

この話は『国公立大学前期試験に落ちた日』に続く。

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