愛知県でもついに公立の中高一貫校が始まります。
県内の中高一貫教育導入校は「地域の教育ニーズ対応型」「高度ものづくり型」「探究学習重視型」の三つに分類されます。
明和・刈谷・半田・津島の4校が第一次導入校として、2025年4月に併設中学を開校する予定です。
また、日進・美和・愛知総合工科・豊田西・時習館・西尾の6校は第二次導入校として、2026年4月の開校を目指すようです。
やはり一番の注目は「探究学習重視型」です。
私立の中高一貫校と比べて内情はどうなるのか。
併願も予想されるので、どの程度受験生が流れてくるのか。
今回は公立中高一貫校についてまとめていきます。
入学者選抜について
私立中学入試は、小学校内容から離れた難しい問題も多く出ます。
イメージとしては高校入試内容+中学受験独自内容といった感じです。
公立中学入試は、小学校の教育課程からは離れることはできないため、制限がかかります。
だからといって、簡単なものではありません。
公立中高一貫校は、入学者選抜で学力検査を課せないとされており、代わりに「適性検査」が実施されます。
他県のケースだと、教科横断型で記述中心の出題が特徴で、思考力や判断力、表現力を評価するものとなっています。
問題量が凄まじい場合もあり、高速処理能力が必要になることもあります。
また、元々の志願者に加えて、私立中学との併願も考えられるため、相当の高倍率になると予想されます。
初年度は倍率10倍くらいになることもあるようです。
教育カリキュラムについて
私立は基本的には先取り学習を行います。
高2までの期間で学習内容を終えて、高3は受験に向けた演習期間にあてることが多いです。
公立では学習内容が決められているため、先取り学習は難しいです。
そのため、各単元でより深く発展的な内容を学習していくと考えられます。
おそらく、その中で高校内容にも少し触れていくのではないでしょうか。
高校からは、高校受験組と合流する形になると予想されます。
そう考えると、やはり授業進度としては普通の公立中学とあまり変わらないのではないでしょうか。
ただ、全体の学力平均は高いので、より高度な教育を受けることができるのは確実だと思います。
受験する理由
中高一貫校を受験する理由しては、内申点(通知表)の影響を受けにくいことです。
勉強は得意だけど、運動や芸術は苦手な生徒にとっては、中学受験は大きなメリットです。
普通に高校受験をする場合は、内申点の影響は大きいです。
9教科で評価されるため、運動や芸術が苦手な生徒にとっては、不利な戦いになります。
また、単純に機会が増えることも受験する理由です。
公立の上位校に通いたいと考えた場合、受験チャンスが2回に増えるということは大きいです。
受験の注意点
当然ですが、入試対策に費用が掛かります。
様々な学習塾で、公立中高一貫校の対策コースが始まっています。
もちろん、私立中学受験に比べれば低予算で済むとは思います。
公立中学だから特に対策は必要ないと思って、とりあえず受験しても合格はできません。
むしろ、倍率としては、私立中学以上となることが多いです。
入試対策をしっかりしないと合格は難しいです。
また、合格できなかった場合は高校受験が待っています。
その場合、二重に費用が掛かります。
私立中学との併願の場合は、スベリ止めを用意すると思います。
しかし、公立中学一本で受験する場合は覚悟して受験してください。
また、合格した後も注意が必要です。
次の受験が6年後になるため、勉強のやる気を維持していくことが大切になります。
中学受験に関しては、メリットを追い求めるというよりも、リスクをどれだけ許容できるかという観点が重要な気がします。
受験結果やその後も含めて、理想的な結果を得られる生徒はごく少数です。
そのリスクをしっかり理解して挑むべきです。
おまけ
中高一貫校に通う目的の一つに、大学入試における優位性があります。
そこで、第一次導入校の明和・刈谷・半田・津島高校について、2023年入試の合格者数についてまとめていきます。もちろん現役のみです。
大学としては、東大・京大・名大・他旧帝大(北大・東北大・阪大・九大)・県内国公立大(名工大・名市大・愛教大・県立大・技科大)について整理します。
中高一貫校が始まることで、以下の数字がどのように変化するのか楽しみです。
明和
東大…5
京大…17
名大…51
他旧帝大…14
県内国公立大…45
国公立大合計…202
刈谷
東大…7
京大…7
名大…70
他旧帝大…10
県内国公立大…62
国公立大合計…232
半田
東大…0
京大…1
名大…30
他旧帝大…15
県内国公立大…64
国公立大合計…163
津島
東大…0
京大…0
名大…3
他旧帝大…1
県内国公立大…18
三重大…17
国公立大合計…87
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