近年の愛知県の高校入試では、私立高校の人気が高まっています。
大学入試における学校推薦型選抜の増加の影響もあり、指定校推薦枠の多い私立高校を希望する生徒が増えました。
逆に、中堅以下の公立高校は苦境に立たされています。特に、立地の良くない公立高校は定員割れが目立ってきました。
もちろん少子化の影響も…
定員割れが続くと生徒の学力レベルの低下を招き、さらに志願者が減るという負のループが始まります。
では、このような苦境に立たされている公立高校は今後どうすべきなのか、考察していきます。
なんとなく雰囲気で話していくので、話半分に聞いてください。
公立中高一貫校
愛知県でも最近始まった公立中高一貫校にヒントが隠れていると思います。
以前にまとめた記事はこちら。
県内の中高一貫教育導入校は「地域の教育ニーズ対応型」「高度ものづくり型」「探究学習重視型」の三つに分類されます。
これらをうまく導入することで、中堅公立高校でも特色のある学校作りができると思います。
ちなみに日進エリア近辺では、日進高校が「地域の教育ニーズ対応型」として、愛知総合工科高校が「高度ものづくり型」として、2026年4月の開校を目指すようです。
今回は「地域の教育ニーズ対応型」と「探究学習重視型」の二つの分類について考えていきます。
教育ニーズ型について
教育ニーズ型としては日進高校が不登校特例校、美和高校が地域との連携型といった扱いになっています。
美和高校が導入する地域との連携型は、同様に立地で苦戦している高校にとっては活路になり得る内容です。
その地域に住んでいる生徒をそのまま地元に残すこともできますし、もしかしたら他の地域からの流入もあるかもしれません。
定員割れや募集人員の減少により、教室数に余裕がある学校は積極的に導入しても良いのではないでしょうか。
もちろん、予算や人員の問題もあります。しかし、ただ衰退を待つだけならば、チャレンジしてみる価値はあるのではないかと思います。
町興しに近い感覚かな…
探求学習型について
探求学習型の導入校は偏差値の高い学校が多いです。
第1次導入校の明和や刈谷は地域でもトップクラスの学校で、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されています。
また津島も国際バカロレアの導入を目指しており、英語教育などに力を入れています。
第2次導入校についても、基本的には地域でトップクラスの学校が並びます。
では、中堅以下の公立高校でこのような高度な教育が可能かと言えば、やや難しいと言わざるを得ません。特に、数学や理科において高度な教育をしていくためには、ある程度の素養が必要だと感じます。
個人的にチャンスがあるんじゃないかと思っているのは、国語や社会の人文学系に特化したカリキュラムです。
中学時代から古典文法の基礎を学んだり、社会科見学として様々な土地を巡ったり、人文学系に特化したカリキュラムに興味を持つ生徒もいると思うんですよね。
それか上記の地域連携型とセットで考えて、地域の文化を探求しながら人文学系に強い教育を行うことなども考えられます。
やはりトップ校だと英語・数学・理科に目が行きがちです。
医学部を視野に入れるとね…
しかし、だからこそ努力量でカバーできる国語や社会などの人文学系の科目に特化することで差別化が図れます。
また、帰国子女や日本文化に興味のある外国人留学生の流入も考えられます。もともと英語のできる生徒を海外から呼べば良いのです。
意外とやってみると、特色のある学校運営も可能なのではないでしょうか。
近年の高校入試では
愛知県の高校は昔から『公立王国』と言われています。
それだけ優秀な公立高校が多いです。
特に三河地区!
しかし、近年はそれにも陰りが見えてきています。
地域トップ校ならまだしも中堅校以下では、私立に押されているのが現状です。
別に公立を応援している訳ではないけど…
助成金などの影響もあり、公立とか私立といったくくりが最近は薄くなってきているような気がします。
だからこそ、公立でも特色のある教育に力を入れる必要が出てきたのかなと思います。