中学時代の成績がオール3くらいで、模試の偏差値も50前後の生徒。
The平均点な中学生は、大学受験ではどのような結果になることが多いのでしょうか。
今回は、平均的な中学生の大学受験についてまとめていきます。
各高校の進学実績や、実際の指導経験をもとにリアルな実情を話していきます。
結構厳しい話が続くので、夢を見ていたい方は読まない方が良いかもしれません。
国公立大学合格は厳しい
学費を考えると、親としては国公立大学に進学してもらった方が助かります。
生徒としても、国公立大学というだけで何か特別感があります。
しかし、中学オール3の生徒では国公立大学合格はかなり厳しいです。
詳しくはこちらの記事。
県内や近隣の国公立大学合格者は、日進西高校で10名程度、天白高校でも30~50名程度です。
学年で上位5~10%で、平均値から考えると外れ値の生徒に当たります。
その高校の平均的な生徒ではなかなか難しい数値です。
基本的には私立大学受験を考えていく必要があります。
偏差値の低下
中学時代は偏差値が50前後あったとしても、大学受験時の偏差値で50ある場合はかなり少ないです。
今までの経験と実際の高校の進学実績から考えて、偏差値が10くらい下がる印象です。
詳しくはこちらの記事。
国公立大学を受験しようとした場合、共通テストは5教科7科目の戦いになるのでかなり厳しいです。
私立大学を受験する場合は3科目に絞ることができるので、勉強の仕方によっては偏差値50以上も狙えます。
ただ、難関私大を狙う場合は、3科目なら偏差値60くらいは最低でも欲しいという感じです。
学校推薦型選抜
近年の大学入試の傾向として、学校推薦型選抜が増えています。
特に私立大学受験において、その影響が大きいです。
学校推薦型選抜には、指定校型と公募型があります。
指定校型というのはいわゆる指定校推薦で、高校ごとに枠が決まっていて、もらえればほぼ合格が決まるという推薦です。
公募型というのは基準を満たせば誰でも受験可能な推薦入試です。
受けやすい反面、不合格者も出やすいという側面があります。
近年の私立大学は総合型選抜や推薦型選抜で入学者の過半数を獲得しているケースが増えてきました。
特に中堅以下の大学ではその傾向が強いです。
その結果として、一般入試の合格基準が高くなり、一般入試での合格が難しくなった大学もあります。
受験する側からすると、学校推薦型選抜は利用しないともったいないという制度になっています。
特に中堅私大を狙おうとした場合は利用が必須の制度です。
その他注意点がこちら。
私立高校が人気に
学校推薦型選抜が増えている影響で、私立高校の人気が高まっています。
もちろん、助成金の影響もありますが。
学校推薦型選抜を利用するとしても、やはり指定校型を狙いたいという生徒の方が多いです。
合格がほぼ確約ですから、受験する側からすると安心です。
そうなってくると、指定校の枠を多く持っている私立高校の人気が高まるというのもわかります。
さらに言えば、大学附属の高校はより一層人気が高まっているという印象です。
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中学オール3の生徒だと、やはり中堅私大を目指す可能性が高いです。
オール3くらいで入学できる公立と私立を比較した場合、私立の方が受験結果が安定する印象です。
基本的には学校推薦型選抜で受験を終える生徒が多いので、年内で受験が終わる生徒がほとんどです。
指定校推薦の枠の多さというのは、それだけ大きなメリットです。
公立高校は実力主義
公立高校は良くも悪くも実力主義と言えます。
私立が安定志向なのに対し、公立はハイリスクハイリターンという感じです。
中堅の私立高校は一般受験する生徒が少なく、指定校推薦の枠内での戦いになります。
逆を言えば、推薦枠以外の大学に進学するのが難しいです。
公立高校でも指定校推薦を利用する生徒はいますが、やはり公募推薦や一般受験をする生徒の割合が多いです。
そのため、受験校の自由度は高いです。
公立高校は成功した場合のリターンは大きいですが、失敗した場合のリスクも大きいです。
この辺は生徒・保護者の好みの問題だと思います。
最後に注意点
公立・私立に関係なく、高校入学後はできる限り上位にいることが重要です。
推薦入試で用いる評定平均は高校1年生の1学期から計算されます。
そのため、あとから逆転するのが非常に難しいです。
成績的に余裕のある高校に入学するだとか、高校入学後も全力で頑張るだとか、手段は何でも良いです。
とりあえず、スタートから成績上位にいることが重要です。
公立・私立に関係なく、成績下位の受験はかなり厳しいです。
学力的に厳しいのはもちろん、推薦入試などの利用が制限されます。
かなり不利な条件での受験に挑まなければいけません。
高校時代は『井の中の蛙』でいることも、ある意味正解です。