国公立大学前期試験に落ちた日

国公立大学受験はなかなかに過酷な戦いである。

前期・中期・後期と最大3校受験できるが、注意すべきことが多々ある。

前期試験終了後はすぐに中期・後期に向けて対策を始めるということは特に重要である。

前期試験が終わったからと言って、まだ合格したわけではない。

学校の先生にも必ず注意される内容だ。

この話はその『禁忌』を
破ってしまった男の物語である。

この話は『センター試験の思い出』の続きの話である。

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センター試験終了後、私は国公立大学の受験校に迷っていた。

第一志望は名大だったが、センター試験の傾斜配点的に相性が最悪だった。

あまりよくない地理と大爆死した国語の点数がそのまま。

その他調子の良かった科目が半分に圧縮されるという配点。

判定としてはD判定。

逆に名工大は、理系科目を重視するためA判定だった。

今の塾講師の立場から言えば、名工大推しである。

志望校にそんなこだわりはなかったはずだ。

しかし、その時の私は学校の先生の口車に乗ってしまう。

前期名大・後期名工大という攻めの受験を決断。

『名大なら二次で挽回できる』

名大の合格者数にこだわる高校だったから、その影響もあったのであろう。

ちなみに、判定は前期D、後期C(B寄り)である。

さらに言えば、私は家庭の事情で、大学受験は国公立大学2校のみの受験だった。

つまり私立大学は受験しない。

スベリ止めなど存在しない。

なぜ誰もこの受け方を止めなかったのか。

前期試験終了後、心境は複雑だった。

悪くはなさそうだが、すごく成功したとは言えない。

数学は7~8割はいけたと思うが、物理の電磁気でやらかしてしまった。

コンデンサーを斜めに動かすのはやめていただきたい。

おそらくボーダー、ギリギリラインかというところ。

普通なら後期に備えて勉強すべき。それが普通。

しかし、私は「ま、最悪第2志望になら引っかかるやろ」と完全に気を抜いてしまった。

名大工学部は第1志望と第2志望を選択できる。

第2志望には比較的受かりやすい学科を選択する場合が多い。

前期合格発表日を迎える。

その当時でも、ネットで合格発表が見ることができた。

私は携帯電話で見るつもりでいた。

ちなみに、当時はまだスマホなどなく、いわゆるガラケーである。

発表時刻になり、携帯電話の画面上で自分の受験番号を探す。

第1志望の学科には私の番号はなかった。

「仕方ない。第2志望か」

その時の私はまだ緩んでいた。

第2志望の学科の画面を確認する。

私の番号はなかった。

「おかしいな」

私はおもむろに携帯電話の更新ボタンを押す。

何かのミスで自分の番号がないだけ。

更新して画面が切り替わったら自分の番号が見つかるはず。

本気でそう思っていた。

しばらくすると、アクセスが集中し、画面すら映らなくなった。

その時初めて押し寄せてきた。

不合格という現実が押し寄せてきた。

高校受験は特に意識せず第1志望に合格していたため、初めての不合格。

あまりにも重い。

私には、あと後期試験しか残されていない。

しかも、前期試験終了後まともに勉強をしていない。

後期試験まで、残り3日。

はたして私は大学生になれるのだろうか。

皆さんに一つ言っておくことがある。

前期試験終了後は
すぐ切り替えて勉強を再開

受験は気を抜いたら負けだ。

この話は『国公立大学後期試験に合格した日』に続く。

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