個別指導塾の中には、成績保証制度を設けている塾もあります。
塾に通う上で心配になるのは、本当に成績が上がるのかということです。
その成績を保証してくれるのは非常にありがたいことです。
しかしながら、そんな都合の良いことばかりなのかと疑問に思う方もいるかもしれません。
今回は成績保証の実態についてお話していきます。
ちなみに、ワクベスには成績保証の制度はありません。
その理由についても述べていきます。
制度の概要
とある塾の成績保証制度についてまとめていきます。
- 入塾後1年以内の学校の中間・期末テストで必ず1回以上
- 60点未満で入塾の場合、受講科目が1科目+20点以上を保証
- 60点以上で入塾の場合、受講科目が1科目で80点以上を保証
- 達成できなかった場合、受講科目の授業料を3ヶ月間免除
ざっくりとした概要は以上です。
成績保証をしている塾は、ほとんど同じような感じです。
制度適用の条件
制度が適用されるには様々な条件が付くことが多いです。
とある塾の制度適用の条件について、一部抜粋して紹介します。
- 季節講習会で対象科目について、塾から提案された授業回数を毎回受講する
- 遅刻・欠席・宿題忘れが期間内で合計3回未満である
- 中学1年生の3学期~中学3年生の1学期までが対象
塾によって、適用条件はある程度変わると思います。
季節講習への参加は必須な場合が多いです。
週の通塾回数の条件もあることが多いです。
あとは宿題忘れに関しても厳しいです。
成績保証の達成率
成績保証の制度を利用した場合、概ね90%以上が達成できているようです。
「これだけ条件付いてたらね…」というのが正直な感想です。
達成できる条件ありきの制度だなという印象です。
制度の問題点
個人的には、成績保証制度の問題点はかなりあると思っています。
一見すると生徒側にメリットのあるような制度に見えますが、実情はそうでもありません。
以下に、問題点をまとめていきます。
点数ベースである
単元の難易度やテストを作る先生によって、定期テストの平均点は大きく変わります。
点数が上がったとしても、全体の平均点が高かっただけの場合もあります。
それで成績が上がったと言えるのか疑問です。
科目の偏りが生じる
塾側としては、成績保証の達成を優先します。
そのため、科目の偏りが生じる可能性があります。
結果として、受講科目の成績は上がるかもしれません。
しかし、他の科目を犠牲にする可能性はあります。
内申点などのトータルの成績において歪みが生じることがあります。
費用が割高になる
制度適用の条件として、上記のように季節講習会で塾からの提案回数を必ず受講しないといけない場合があります。
その場合は、過剰気味に回数提案をされた場合でも受講しないといけません。
結果的に、講習費用が割高になってしまうことがあります。
成績保証の達成後
意外と盲点になるのが、成績保証の条件を達成した後の扱いです。
よくあるケースだと成績が一時的には上がったものの、その後に下がってしまうケースです。
成績の維持は保証内容に含まれていません。
塾側としても、新規入塾者や未達成の生徒への対応を重視します。
成績が上がらなかった場合
条件を達成できなかった場合、数ヶ月間授業料が免除されます。
授業料が返金されるケースは珍しいです。
1年間しっかり通って成績が上がらなかった塾に、さらに通い続けるのってどうなんでしょう。
授業料は確かに無料ですが、時間は有限です。
完全無欠ではない
成績保証を利用する場合は、リスクもあるということを理解したうえでご活用ください。
完全無欠の制度ではないので、ご注意ください。
わざわざ保証する必要
上記のように、現状の成績保証はかなり問題があります。
成績保証ってわざわざする必要あるのか?って個人的に思っています。
私は生徒の成績を上げるために塾をやっています。
成績を上げるのは当然として、どこまで上げられるのかを考えています。
わざわざ成績保証の制度を作らないと、成績って上がらないものなのか。
その辺は考え方の違いなのでしょうか。
おまけ
こんな成績保証があったらどうだろうというものを考えました。
実現は難しいと思われます。
内申点(通知表)アップ保証
2→3は保証できる気がします。
しかし、3→4や4→5を保証するのはなかなか厳しいですね。
9教科合計を上げます。
みたいな感じだと意外と何とかなるかもしれません。
5教科がダメそうなら、副教科を頑張らせるとか。
80点以上保証
現状で80点以上取れている生徒の点数を、そのまま80点以上で維持する保証です。
塾側としては、常に気を抜けなくなります。
意外と需要があるんじゃないかと思います。
上位層にリーチできる施策です。
ただ、平均点が大きく下がった時がピンチですね。
合格保証
ちなみに、大学受験の予備校で合格保証の制度はあります。
もちろん、いろいろと条件は付くようです。