自己肯定感という言葉が教育の場でもよく聞かれるようになりました。個人的にはそんなに重要ではないのではと思っています。
例えば、オリンピックやプロスポーツなどの極限状況であれば、自己肯定感は必要になると思います。メンタルの強さというのは勝負の世界では重要だからです。しかし、日常生活においてそんな極限状況になることってほとんどないです。
また、たまに自己肯定感と自信過剰を勘違いしているような人もいます。そのような場合、大きな失敗につながることが多いです。
個人的には自己肯定感よりも、自己認知が重要だと思っています。自己認知とは何なのか。今回は自己認知の重要性について話していきます。
孫子より
かの有名な『孫子』という兵法書の一節に『彼を知り己を知れば百戦殆からず(あやうからず)』という格言があります。『敵と己の情勢をよく知って戦えば、何度戦っても敗れることはない』という意味です。
敵を知り、己を知る。この二つでより重要になってくるのは己を知ることです。
敵はその時々で大きく変わりますが、己は大きくは変わりません。つまり、己を常によく知っておくことで様々な状況に対応することが可能です。
自己認知とは
自己認知とは、自分自身の価値観や強み・弱みを把握することを指します。つまり、己を知ることです。古の兵法書にもあるように、自己認知は非常に重要です。
しかし、自己認知は簡単ではありません。自分自身について、主観的でなく客観的に理解する必要があるからです。下手をすると「それってあなたの感想ですよね」となってしまいます。
自分自身の希望的な観測ではなく、客観的な事実に基づいて自身を理解していく必要があります。自分自身で判断が難しい場合は、周りの人間に意見を求めても良いです。
勉強における自己認知
勉強においても自己認知は重要です。自分が現状でどこまでできるのかを把握することで、より効率的に学習することができます。
今すぐ上がりそうな部分はどこか、長期的に伸びそうな部分はどこかなどを自分自身で考えていくことが大切です。戦略的思考が必要です。
強みだけでなく弱みも意識することが必要です。強みを圧倒的に伸ばしていくか、弱みを補強していくか、それぞれの戦略があります。
目標設定の際も、自己認知は大きな意味を持ちます。挑戦と無謀は違います。何でもかんでもできるほど世の中は甘くないです。
自己肯定感と自己認知
そもそも、自己肯定感が高いとは、ありのままの自分を受け止めている状態のことを言います。ありのままの自分を知るために必要なことは、今回話題としている自己認知です。
結局のところ、自己肯定感も自己認知も考え方の根本はほぼ同じということでしょうか。
自己肯定感は最終的な結果、自己認知はその過程と考えると自然かもしれません。
結果を出すためにはまずは過程が必要になります。そのため、まずは自己認知が重要だというのが私の考えです。
自信過剰とは
自信過剰の状態には、ありのままの自分を認められない状態の時に陥ります。つまり、自信過剰は自己肯定感と似ているようで、実は反対の状態ということになります。
自己を認められない結果、自己を大きく見せようとする心理が働くということです。
自信過剰を防ぐためには、やはり自己認知です。しっかり己と向き合うことです。
個々の才能には差がある。これを否定することはできません。
大切なことは『だからどうするのか』ということです。
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